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  • 執筆者の写真井本整体フランス支部

子育てと木の枝

ここパリ郊外でも、週末はとても暖かい陽気となり、

外に出ると、久しぶりの春のような気候を満喫しようと

多くの人が家族連れで散歩をしていました。


色々な人種の人が普通に混ざり合って生活していますので、

散歩の風景も国際色豊かです。

何人かアフリカ人のお母さんと知り合いになりましたが、

小さなお子さんを連れている場合でも、ベビーカーを押すことはなく、

スカーフのようなものにくるくるっと器用に赤ちゃんを包んで

背中に斜めにおんぶしています。

両手はいつも空いているので、買い物の袋を持っていたり、

お兄ちゃん、お姉ちゃんの手を繋いでいたり。

アフリカ系の方は腰がとても上がっている人が多いので、

赤ちゃんもお母さんの腰の上にピタッと乗っかるような感じで、

心地良さそうにすやすやと寝ています。


カラフルな民族衣装のワンピースで赤ちゃんをおんぶしている姿を見ると、

赤ちゃんを背負ったまま、畑仕事をするお母さんの姿が目に浮かびます。

パリ郊外の街に住んでいるので、畑仕事はしていないと思いますが、

フランスという国に適応しながらも、やはり子育ては自身のスタイルが一番。

きっと、家の中でも、お母さんの国の習慣や生活様式にあった子育ての方法が

ありとあらゆるところに活かされているのでしょう。


子育ては短期間で終わるものではなく、子供の将来を考えて取り組むとても重要なテーマ。

2月号の『原点』に掲載されていますが、「体力づくりにはまず心づくり」。

子供たちがキラキラとした目で、生き生きと毎日を過ごすために、

どの国のお母さんたちも毎日取り組んでいることと思います。

習慣や生活様式の違いがあったとしても、

小さな命を愛情を持って育むという点では国境はないのかもしれません。


数年前になりますが、お昼過ぎ、散歩をしているアフリカ人家族が前を歩いていました。

背中に赤ちゃんをおんぶしたお母さんの近くには、

幼稚園ぐらいの年齢の男の子が二人、遊びながら歩いています。

その男の子二人がふと立ち止まり、道端にしゃがみ込みました。

どうやら虫でも見つけたようです。夢中になっていて散歩は中断。

お母さんは一言二言何かを言いましたが、男の子は全く聞こえてない様子。

その時、お母さんが街路樹の枝を50センチぐらいの長さでボキッと折りました。

どうするんだろうと思ってみていると、葉っぱがついたその枝で、

男の子二人のお尻を優しく叩くような仕草をしました。

その光景は、まるで水場に連れていくために杖を使いながら牛を追う牛飼い・・・。

男の子も気がついて腰をあげ、また散歩が再開されました。


思いがけない枝の活用方法に、

「なるほど、こういう使い方もあるのか・・・」と感動したのを覚えています。

子育ては永遠の、そして世界共通の飽きることのないテーマです。


周りを見回すと春のサインが溢れ始めています。

どうか素敵な一週間をお過ごしください。












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